東洋医学 「尿とそのトラブル」


※その1 尿って何?

「腎臓」に血液が運ばれ、ろ過された血液のカスが尿になるのです。



※その2  その成分は?

95% 水分
   5%固形物image4
その中のほとんどが尿素です。
その他、尿酸、アンモニア、 ナトリウム、カリウム
などで構成されています。
それ以外に、たんぱく質、糖、赤血球、白血球、細菌などがみられる場合は、
腎臓の病気や糖尿病、肝機能障害などの病気が疑われる場合があります。

例)たんぱく尿    尿に泡が立つ 
  糖        甘い香りがする



 

 

※その3 1日の理想の回数は?

尿の回数が多いことを「頻尿」といいます。 
「頻尿」の回数は一体どのくらいでしょうか?
 


日本泌尿器科学会によると、朝起きてから就寝までの排尿回数が
8回以上の場合を頻尿というが、一概に1日に何回以上が異常とはいえず、
自身で排尿回数が多いと感じる場合には「頻尿」とされています。


基本的には、1日に5〜6回が正常
 
それ以上だと頻尿、それ以下だと尿量が少ないと判断します。
しかし、夏は、汗から体の水分が出ていきますので、
通常は排尿の回数が少なくなります。

これ以上多いと、水分が多すぎて、腎臓に負担がかかります。
また、夜間尿にお悩みの方は、午後の水分摂取を少なくていくと良いでしょう。

夜間は、トイレに起きずに、朝まで眠るのが最も良く、
睡眠も妨げられないので、体は休まります。
ところが、夜中に尿意を何度も感じて起きてしまう方は、
睡眠不足になり、日中眠気を感じて仕事や生活に支障をきたすことにもつながります。
いずれにしても、「腎臓」や「膀胱」に不調やお疲れがある可能性があります。


さまざまな病気が隠れている場合がございますので、医療機関で検査を1度おすすめします。

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※その4 東洋医学的、尿を見てわかること
あなたの尿は何色?

東洋医学では、「体が冷えているか」、「熱を持っているか」を
予測するのに、尿の色を参考にします。

うすい黄色

体は正常な状態



無色

体が冷えている、水分摂取が多すぎる など

黄色

体が熱を持っている、または、炎症を起こしている可能性がある など

その他

赤い赤褐色白く濁る などの場合は、尿路結石、腎不全などの病気が隠れている
場合がありますので、医療機関を受診をしましょう。


尿のトラブルを東洋医学で考える

頻尿の原因1 冷え


朝晩の気温の変化に伴い冷えが原因です。 


頻尿の原因2  「腎」の機能が衰えている

歳をとるとトイレに行く回数が多くなり、      471006
特に、夜中に何度も起きてトイレに行く方もいます。



東洋医学では、「腎」は、排尿をつかさどるだけでなく、
「精」を貯めるところとも考えられています。


「精」って何?

成長したり、子供を産むなどの生殖活動や、 動いたりするために使われるガソリンのようなもので、
生まれる時に、親からもらってくる財産のようなもの。

また、私たちが食べたり飲んだりすることでも、「精」を作り出し補充はしていますが、
体の成長に大量に「精」が使われるので、歳を取ると残りの「精」は少なくなるのです。
同時に「腎」の機能も衰えていきます。


年齢を重ねると、ある程度の「腎」の弱りは出てきますが、
「若いのに」「そんなに年齢がいっていないのに」という方は問題です。
「腎」が弱ると、日中よりも、夜寝ている間にトイレに行くことが多くなることもあります。


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老化以外で、
「腎」の機能を弱めてしまう行動とは?

歳を重ねると、体全体が衰えていくのは自然の摂理ですが、
年齢にかかわらず、「腎」の機能を弱めてしまう行動があります。

「腎」や「下半身」を冷やす

「腎」は「冷え」が苦手です。ミニスカート、腰回りを出す下着やファッションは、
体を冷やすということにとどまらず、「腎」の機能まで弱める可能性があります。



働き過ぎ、セックスのし過ぎなど

さきほども述べましたが、「腎」は、体を動かしたり、成長、生殖活動に関わるため、
「腎精(腎に貯めてある精)」を使い過ぎると、「腎」機能の弱りにつながるのです。

糖分の摂りすぎ

糖分、甘い物の摂りすぎでも、「腎」を弱めることがあります。



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なぜ糖分が「腎」に響くのか?

では、なぜ「糖分」「甘い物」の摂り過ぎが「腎」を弱めることがあるのでしょうか?
東洋医学の基本理論「五行論」で考えてみましょう。 

「五行論」の臓器と味

東洋医学の基本理論に「五行論」があります。
『木、火、土、金、水』5つの自然界の要素・それぞれの性質に従って、
あらゆる事物を5つに分類していったのですが、その中で、臓器と味も分類しました。 


『木』→『酸味』『肝・胆』
『火』→『苦味』『心・小腸』
『土』→『甘味』『脾・胃』
『金』→『辛味』『肺・大腸』
『水』→『鹹味(塩辛い味)』『腎・膀胱』



先ほどから話に出ている「腎」は、「水」に分類されています。 

「五行論」―相生・相剋の関係

「五行論」でもう一つお伝えしておきたいのは、『相生』と『相剋』の関係です。

『相生』の関係とは、生み出す関係のこと。(下図:青の矢印)
「木は火を生む⇒火は灰を生み出し、それが土になる⇒土の中には金(鉱物)ができる⇒金(鉱物)は水を生み出す⇒水は木を育てる。」




『相剋』の関係とは、相手の力が過剰にならないように
相手をコントロールする関係のこと。(下図:赤の矢印)
「木は土の栄養を奪う⇒土は水をせき止める⇒水は火を消す⇒火は金(鉱物)を溶かす⇒金(鉱物)は木を切り倒す。」



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『相生』『相剋』関係は、ともに、正常な関係です。
この関係がうまく動ていると、私たちの体は不調もなく、健やかです。

しかし、ひとたび、『木・火・土・金・水』のうちの一つが弱まったり、
強くなりすぎたりすると、『五行』に異常が起き、不調が起きます。 
 


相剋関係で考える「腎」を弱らせる食べ物

「五行論」の相剋関係(相手をコントロールする関係)から
「食べ物」を考えてみましょう。

「腎」は「水」に分類されました。
とすると、「水」を剋する(コントロールする)味は、「甘味」になります。

この「甘味」というのは、お砂糖やスィーツ、お酒の「甘味」ではなく、
“食べていると甘くなってくる”ような自然な「甘味」のことを指します。
例えば、お米、お芋、かぼちゃなどの「甘味」のこと。

このような「甘味」を適度に摂っているときは、
相剋関係にある『水=腎・膀胱』にダメージを与えることはありません。

しかし、お砂糖、スィーツ、お酒などが多くなり、
各人の体の許容量を超えてしまうと、相剋関係の『腎・膀胱』などを攻撃し、
不調を招く結果になるのです。


相剋甘味→腎膀胱
以上のように、頻尿の主な原因は、「冷え」「腎の弱り」であると考えられます。

もちろん、冷えないように、弱らせないようにすることが第一ですが、
冷えてしまったり、弱ってしまった「腎、膀胱」はどうしたら良いのでしょうか? 

①体の冷えが気になる時は

□ 冷たい飲み物・食べ物は避け、火を入れた調理を心がける

□ お腹や下半身を温める
 

  
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<足湯>
特に夜間尿にお悩みの方は、寝る前に足だけお湯につかりましょう。
 □体を温める食べ物
<陽気を補う食材>
クルミ、エビ、ナマコ、イワナ、ラム肉、杜仲茶 など

<内側から温める食材>
ニラ、唐辛子、シナモン、コショウ、アジ、鮭 など


②腎の弱りがある場合

<腎を養う食材>
黒米、小麦、八つ頭、ささげ、山芋、カシューナッツ、栗、黒ゴマ、枝豆、カリフラワー、
ゴボウ、どんこしいたけ、ブロッコリー、マッシュルーム、プルーン、ブドウ、
ブルーベリー、うなぎ、えび、貝柱、ししゃも、すっぽん、たい  など


③その他

お餅(もち米)は体を温めますので、夕食に取り入れるとよいでしょう。
特に、焼きもちにするのがおすすめです。




まとめ

腎が弱ると、頻尿、おしっこが近くなる。
年齢も原因の一つだが、食べ物や生活習慣で補うこともある
甘い物や塩辛いものを取り過ぎない
自律神経からくる場合もある
大きな病気も隠れている可能性もあるので先ずは専門医へご相談下さい。



主な施術方法


①枡灸(ますきゅう)

ヒノキで作られた枡の箱に天然のモグサを入れて腰又は膀胱周囲を温め血行をよくします。


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②塩灸(しおきゅう)


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和紙で出来た箱(非可燃)に天然の塩を敷詰め、国産の天然モグサを置き着火することにより湿熱が伝わります。
主におへその上に置き体内の冷えを取ります。


③灸頭鍼(きゅうとうしん)

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鍼の枝に天然のモグサをつけます。(モグサは落ちません)
ツボに鍼を置きお灸をつけ中に熱を伝えます。


④セルフケア

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置くタイプのお灸を使用しツボを刺激します